狩猟をするために必要なのが”狩猟免許”と呼ばれる免許で、例を言えば車を運転するために必要な運転免許と同じようなものです。
ですので、今後狩猟を行いたいと思っている方は、必ず取る必要があるものになります。
そんな狩猟免許について、この記事では現役猟師が実体験を元に狩猟免許についてZERO(0)からご紹介していきます。
記事監修:よっぴー
大日本猟友会所属・わな猟免許所持
2001年|香川県生まれ|何か特別な力を持っているわけでもない無難な人間|ポジティブ&行動力でカバー中。
狩猟免許とは
そもそも、狩猟免許は何?と言うことの結論=狩猟をするために必要な免許です。
冒頭でも紹介しましたが、狩猟免許は運転免許証のようなもので、狩猟をするのであれば必ず持っておく必要があります。
しかし、狩猟免許試験を合格してもすぐに狩猟はできず、各県の知事に狩猟免状を交付して狩猟登録ができれば完了です。
なので、試験を合格した後にも”#見出し3”で紹介する期間や、狩猟者登録などもした上で狩猟免許を取得することができます。
狩猟免許の種類
狩猟にはいくつかの狩猟方法と言うのが存在しておりまして、それに伴って狩猟免許にも複数の種類が存在しています。
これも運転免許証同様「原付・普通免許・中型免許・大型免許」があるのように狩猟免許にも4つの種類がありますので、下記で詳しく解説します。
種類1,網猟免許
狩猟免許の種類1つ目は「網猟免許」です。
網猟免許は主に”網”を利用する狩猟方法のための免許でして、これを持っておくことで今後「鳥やウサギ」などを中心に捕獲することができます。
近年では、この網猟免許を取得する人が年々減っており、伝統ある技術を継承する人がいなくなるのを防ぐ必要がある分野です。
種類2,わな猟免許
狩猟免許の種類2つ目は「わな猟免許」です。
わな猟免許は主に”罠”を利用する狩猟方法のための免許でして、これを持っておくことで獣類全般に対応することができます。
特に、狩猟の大部分を占めるであろう「イノシシやシカ」を捕獲する際に用いられます。
種類3,第一種銃猟免許
狩猟免許の種類3つ目は「第一種銃猟免許」です。
銃免許にはここで紹介する”第一種銃猟免許”と下記の”#種類4”で紹介する”第二種銃猟免許”の2つに分かれています。
どのような違いがあるのかと言うと、この第一種銃猟免許は「散弾銃・ライフル銃」を利用して狩猟を行うための免許です。
どちらかと言うと、これから本格的に銃猟をするのであればこちらを取るべきでしょう。
種類4,第二種銃猟免許
狩猟免許の種類4つ目は「第二種銃猟免許」です。
もう一つの銃猟免許の第二種は、第一種とは違っており「空気銃」のみしか扱えません。
第一種であれば散弾銃・ライフル銃+空気銃が使えますので、そもそも本格的に狩猟をするのであれば第一種がおすすめです。
狩猟免許の取り方の手順
狩猟免許は事前にどんな方法で狩猟をしていきたいのかや目的によって狩猟免許の取り方が変わってきますので注意が必要です。
<狩猟免許の取り方>
- 自分のしたい狩猟方法を決める
- 地元のHPで狩猟試験を調べる
- 試験を受けるための資料を貰う
- 資料を全て揃えて役所に提出
- 受験票を持って試験会場へ
- 狩猟試験を受ける
- 後日、狩猟免状で合格を確認
- 狩猟者登録を行う
と、これで狩猟免許を取ることができます。
箇条書きにすると「多いな…」と思われると思いますが、1つ1つ丁寧にこなせば意外と時間をかけずに狩猟免許を取得可能です。
ですので、これから挑戦する方はスタートを早めにしておいた方が後々楽だと思います。
狩猟免許取得に必要な項目
狩猟免許を取得するためには”#見出し3”で紹介したような手順で進めて行く必要がありますが、それ+で必要な項目があります。
と、言うのも狩猟試験を受ける前の話で意識する必要があるので、その点を下記では3つほど紹介していきます。
項目1,年齢
狩猟免許取得に必要な項目1つ目は「年齢」です。
狩猟免許の取得をするためには年齢制限があります。↓
<狩猟免許の取得可能年齢>
- 網猟18歳以上
- わな猟18歳以上
- 銃猟20歳以上
と、なります。
網猟とわな猟であれば実質高校生でも狩猟免許を取得することができ、高校生猟師とカッコイイ響きの肩書きが得られます。
銃猟に関しては”銃”を利用するため、責任を全て抱えることができる20歳以上からです。
項目2,視力
狩猟免許取得に必要な項目2つ目は「視力」です。
狩猟免許は運転免許証と同じく視力が最低限必要でして、罠猟などであれば不要かもしれませんが銃や網では間違えて誤射する可能性があります。↓
<狩猟に必要な視力>
- 網,わな猟 0.5以上
- 銃猟 0.7以上(一眼0.3以上)
と、なります。
網,わな猟であれば実質ほとんど視力が入らないと言っても過言ではないですが、銃猟は見えていないと危険なので、視力も相当必要とされています。
これらは裸眼でも良いですし「コンタクトorメガネなど」を利用してもOKです。
項目3,運動神経
狩猟免許取得に必要な項目3つ目は「運動神経」です。
狩猟をするためには最低限の運動神経も必要で、これは当たり前と言っても良いのですが狩猟は山に登る必要があります。
+動物が罠にかかったときでもそうですし、銃猟でも素早い動きが必要です。
<狩猟試験で確認される動き>
- 複数回の屈伸運動
- 両腕を上に上げる動き
- 指が思い通りに動くか
の、3つです。
これらができれば運動神経の点は合格できるので、焦らずに言われた通りしましょう。
狩猟免許試験の内容
狩猟免許と言ってもどんな試験をするの?となるでしょう。
一応、上記の”#見出し5”で紹介したような狩猟試験以外のことも複数個実施します。
ここでは、そのような試験も含め狩猟免許の試験ではどのような内容&手順で行うのかについて実体験を元にご紹介します。↓
<狩猟免許試験の内容>
- 適性試験
- 知識試験
- 技能試験
の、3つです。
この試験の名前を聞いても?だと思うので、下記では1つ1つ具体的に紹介します。
適性試験
狩猟試験では受ける人が狩猟をできる人間か?と言うのを確認するために、まず適性試験を行います。
この適性試験で行う内容は、上記の”#見出し4”でも紹介した一部が含まれます。
<適性試験の内容>
- 視力検査
- 運動神経検査
の、2つです。
これらは落ち着いて対応するとほぼ100%受かるので、安心しておいて大丈夫です。
知識試験
狩猟試験で1番意識しなければいけないのが、この知識試験になります。
知識試験は大日本猟友会が作成している「狩猟読本」と言う2冊の本を3回ぐらい復習すれば、ある程度答えることが可能です。
<知識試験について>
- 問題数:30問
- 制限時間;90分(1時間30分)
- 必要正解数:70%(21問正解)
と、なっています。
問題数だけを見ると30問だけ?と思われるかもしれませんが、この中には「法令・道具の種類・取扱・狩猟鳥獣の生態」など色々な問題が含まれます。
ですので、大体勉強しておけば良いでしょ?ではなく最低3回は復習しましょう。
技能試験
技能試験は知識試験で合格しなければ進めない試験ですので、まずは知識試験で合格する必要があります。
その後に行いますので、集中力が続きにくいところではありますが、筆者的には知識試験よりも技能試験の方が難しく感じましたし緊張しました。
<技能試験について>
- 問題数:3問(大きく分けて)
- 制限時間:猟具の取扱のみ制限時間あり
- 合格得点:70%以上(減点方式)
と、なっています。
試験の内容的には「鳥獣判別・猟具の取扱」があり、銃猟に関してはさらに+「目測」があるとされています。
このようなのは独学でもある程度勉強できますが、確実に合格するのであれば、下記で紹介する講習会に参加すべきでしょう。
狩猟免許の講習会はどんなの?
狩猟免許は上記の”#見出し6”で紹介したように、知識試験だけでなく技能試験も含まれているため独学では非常に難しいでしょう。
そんなときにおすすめなのが、猟友会が実施してくれる”講習会”になります。↓
<講習会の内容>
- 狩猟本の配布
- 試験の一通りの内容
- 狩猟本を使った授業
- 狩猟本を使って独学勉強
- 猟具の名前や使い方の説明
- 試験を受ける人との顔合わせ
と、言う感じで勉強できます。
この講習会には参加するのは強制ではありませんし、少なからず費用がかかります。
ですので、その点は考える必要がありますが、自分の知り合いやお友達に狩猟をしている方がいない限りは参加するべきです。
狩猟免許の難易度は”簡単”
狩猟免許は国家資格でもあるので、非常に難しいイメージを持ちがちですが、難易度で言うと”簡単”レベルと言えます。
これは筆者の頭が良いからでは?と思われるかもしれませんが、全体で見ても約80~90%の方が受かっている免許です。
なので、きちんと勉強や講習会などを受けることで、ほぼ確実に受かると言っても過言ではないため努力は必要ですが、落ちる心配はいらないでしょう。
と、言っても10~20%の人は不合格になっていますので、勉強は必ずしてください。

狩猟免許なしでの捕獲はNG
狩猟免許は絶対に必要と上記でも言ってきたので、お分かりだとは思いますが、狩猟免許なしでの捕獲はNGです。
これは運転免許証を持っていない状態で、運転しているのと同じだと言えるでしょう。
しかし、時には異例のこともあり、仮免許証のとき横にプロが乗れば公道でも走って良いようなものが狩猟にもあります。
ですが、ルールが難しく説明が長くなりますので、詳しくはこちら→狩猟免許なしで捕獲するのは大丈夫!?【特別な条件がないとダメ。】 の記事で紹介します。
まとめ:狩猟免許について
本記事では「狩猟免許について完全解説」についてお話してきました。
この記事を読むことで狩猟免許についてを完璧に知ることができますので、1回とは言わず2,3回もっと言えば10回ぐらい読んでいただければ幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
他にも、狩猟の情報や豆知識情の記事などもありますので、ぜひ最後までご覧ください。