狩猟

狩猟に対して「反対」する方の意見|猟師からみた考え方の違い

狩猟は一言で言えば「自然界のバランスを整えるための活動」に過ぎず、現在の日本では動物保護の考え方も尊重されています。

と、いうのも海外ではゲームとして動物を射撃したり鳥を狙ったりと色々されますが、日本では決してそのようなことはされません。

しかし、一般の動物を愛されている方からすれば、なぜ何もしていない自然の動物を殺すのだ?と反対されてしまうこともあります。

なので、この記事では狩猟を反対されている方の意見を取り上げつつ、実際に猟師が考える意見について言及して違いを明確にしていこうと思います。

記事監修:よっぴー(プロフィール詳細)
大日本猟友会所属・わな猟免許所持

2001年|香川県生まれ|何か特別な力を持っているわけでもない無難な人間|ポジティブ&行動力でカバー中。

狩猟に対して「反対」する方の意見

狩猟に対して反対している方の意見は色々あるので、選抜した3つを紹介します。

その5つの意見について現役の猟師から見る考え方なども解説しますので、見比べていただければと思います。

<狩猟に反対する意見>

  1. 動物が可哀想
  2. 無闇に殺す必要がない
  3. なんでも食べ物にするな

意見1,動物が可哀想

自然で一生懸命生きていて、山の開拓は人間がするから人里に降りてくるわけで人間が減れば動物も平和に生きれるんだから”動物が可哀想”。

これに関しては確かに山の開拓は人間がしていて餌の量も地球温暖化などの影響で、天気が荒れたり、気温の変化で育たない場合も多々あります。

その影響で、仕方なく人里に降りてきている現状ではあるのですが、イノシシやシカの頭数は10年前ほどまで右肩上がりでした。

=山の餌がなくなるのは少なからず人間の影響はあるが、ただ単に鳥獣が増え過ぎて山の餌がなくなり人里に降りてきています。

なので、その点だけを見るときちんとお互いに共存できるバランスを整えるべきです。

意見2,無闇に殺す必要がない

人里に降りてきて危害を加えるような動物は分かるけどわざわざ山の中に入って無闇に殺す必要がないのではないか。

これに関しては、人里に降りてきたら殺しても良いが、今後人里に降りてきて危害を加える可能性があるのを目をつぶれば良いということですかね。

この場合、何か事が起こってからでは対応ができなくなり、下手すれば一般の方が巻き込まれたり、それこそ農作物が一瞬で消えます。

なので、そのような問題から守るために今後人里に降りてきそうな鳥獣を狙っています。

そのため、狩猟者も無闇に狙っているわけではなくきちんと数の管理ができるようになればそれ以上は狙うことはありません。

意見3,なんでも食べ物にするな

近年、ジビエブームとかを言ってこれまでの狩猟の考え方ではなく、ただ食べるために狩猟をしている。人間はなんでも食べ物にするな。

これに関しては、ジビエの需要が上がっているというのは分かるのですが、ジビエにするからと狩猟をすることはありません。

と、いうのも狩猟の根源である自然界のバランスを整えるために行っていることで、その上で破棄するのが勿体ないので、ジビエとして頂いています。

特に現在狩猟された動物の約9割が破棄になっているという現状があるので、これは動物に対して申し訳なく、むしろ食べることが正義だと思います。

なので、ジビエは狩猟の延長線上にあるもので、食べるために狩猟はしていません。

決して狩猟に反対することが悪ではない

狩猟に反対することに関して、よく議論になるほど揉めている話題ではあるので、どちらが善でどちらが悪かを決めがちです。

しかし、1つ言えるとすれば両極端の意見が出るのは当たり前で、その度に意見のぶつかり合いをするのは良いことだと思います。

それで善悪を決めるのは決して良いとは言えないですが、反対意見をもらえるのもそれだけ狩猟に関して興味を持っていただいているということです。

もちろん、反対意見があるため狩猟ができない現状もありますが、それでも両方が納得して活動していくことが大事だと思います。

なので、決して狩猟に反対することが”悪”ということはありません。

1つ言いたいのは弱肉強食がある世界

狩猟を反対する意見で上記の”#見出し1”でも紹介したように、動物が可哀想だという意見が大半を占めている現状です。

これに1つ言えるとすれば「弱肉強食の世界」ということで、よく人間が世界を汚しているというコメントを見ます。

もちろん、汚しているのは人間かもしれませんが、それは人間がこの地球における覇権を握ったからの特権だと思います。

これは非常に言葉足らずなので、批判はあるかもしれませんが「人間も力がなければ動物にやられる可能性がある」ということです。

例えば、田舎で何も持っていない小学生がイノシシや熊に合えばどうでしょうか?

絶対に勝てるわけがないですし、攻撃されればひとたまりもない状態になることは目に見えてわかることだと思います。

狩猟はこのような状況を動物から人間を守るための活動をしているというのを、どうか分かっていただければ幸いです。

娯楽で狩猟をするのはまた別問題

近年、海外ではハンティングツアーのようなものもあって、ハンターと呼ばれる方が賞金のために狩猟をしているものがあります。

これに関しては、完全に人間が楽しむための娯楽に動物を巻き込んでいる状態です。

このような活動に関しては、猟師としても頭を抱えるほどの内容で、動物をものとしか思っていない行動だと思います。

まとめ:狩猟に反対する意見などについて

本記事では「狩猟に対して「反対」する方の意見|猟師からみた考え方の違い」についてお話してきました。

ここ近年イノシシ、熊などが人的被害が直接ニュースになる事が度々あり、その度に猟友会が召集され一般の方を守るため警察の方と協力して対応します。

この際には称賛の声が上がり「ありがとう猟友会」となるのですが、そのようなニュースがなければ反対の声が上がります。

もちろん、全てが的外れなことを言っているわけではないのですが、狩猟する方がいないと自分たちに被害が及ぶ事が増えるでしょう。

なので、遊びで狩猟をするのは違うと思いますが、自然を守るためにも頭数の管理などの狩猟は今後も必要だと思っています。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

他にも、狩猟に関する情報や知識について記事などもあるので、そちらもご覧ください。